実験的「氷河期ルーティーン」3〜“魔物”たちとの対話〜

“実験的”ルーティーン

「ルーティーン」と脳

以前の記事で、「ルーティーン」とは心のゆとりを取り戻し、日常を“整える”実践であると書きましたが、それは言い換えれば人生の“操縦桿”を他者から自分の手に取り戻す作業だと言えます。
そのためには必要な作業行動の“習慣化”しかないことを僕たちは既に知っているはずです。
それでも習慣化に失敗してきた僕たちは、どうして途中でやる気を失い、継続することができなかったのでしょうか。

意志が弱いからでしょうか。

それもあるかもしれませんが、せっかくなので今までの苦い挫折経験を生かし、ここでは自分自身と戦うことを“諦め”、まずは人間のやる気の司令塔とされる“脳”という奇妙な“魔物”との対話を試みたいと思います。

最新の脳科学によれば脳は習慣を好むそうですが、他にも脳が喜ぶ、つまり僕たちのやる気が湧いてくる要因の条件として、①自己コントロール感が得られること、そして②直接的な(即座に)フィードバックがあることなどがあるそうです。

そういえばとある仕事術の本の中で、仕事の面白さとは、自ら裁量を持って能動的に動いているときに得られる、という一文があり、深く共感することがありました。

これは仕事だけでなく日々の生活でも言えることで、“自己効力感”と“自己コントロール感”は不可欠であり、どうやらこれらが“操縦桿”の正体のようですね。

ところで現代に生きる僕たちの日常に溢れているものは何があるでしょうか。
それは主にスマホなどのデジタルデバイス、特に昨今のゲームやネットワークサービス全般は、世界中の天才起業家たちが考えだした“経済兵器”とも呼べるもので、僕たちの時間を奪い中毒にさせる仕組みを徹底的に考え練り上げて商品化されたものです。

そしてそれらは麻薬のように僕たちの脳の認知能力と時間を奪うもうひとりの“魔物”です。

まともに戦っても勝ち目はありません。

そしてこれらを僕たちがやめられないのは、自分でボタンをクリックすることでデバイスを自在に操っている感覚を持たされ、その反応としてすぐさまフィードバックが返ってくるという即時性を押さえられているためです。
言い換えるならば、偽物の“操縦桿”を握らされているというのは言い過ぎでしょうか。

生活を「ルーティーンテンプレート」で見える化

本シリーズではこの“魔物たち”のエッセンスを逆手に取りたいと思います。

その具体的な戦術として、実践した「ルーティーン」を継続するための記録ツールであるテンプレートを作成していき、あなたが過去の自分と比べてどれくらい改善されたのか、点数化して遊んでみることを提案します。
自分が自分を“明らかに見る”ことができる表を作成していきます。

まずは次の図をご覧ください。


これは一般にある表計算ソフトで枠線をつくり定型化したシンプルな工程表で、横軸に月曜から日曜までの各曜日が、縦軸には朝から夜までの時系列が記載されています。
そして時系列にはそれぞれあなたが設定するルーティーンを入れる枠があります。
これは一週間のあなたの生活をこの帳簿に記入していくための“たたき台”です。
それぞれの枠に実践するたびにポイント(例えば1点)を追記していくと、自動的に右上に合計点が加算して“見える化”されるようになっています。
作り自体は単純なものなので、それほど多く説明する必要はないように思います。
適宜、ご自身のデバイス画面に合うように幅を調整して、ちょうど一週間分だけが画面に表示されるようにすれば、視覚的にも意識的にもやることを限定し、浮き彫りにする効果があります。

本シリーズでは主に一般的なサラリーマンの方を対象としていますので、仮に月曜日から金曜日までがお仕事の日、土日がお休みの日という前提で作成していますが、業種によっては異なる場合が考えられますので、その場合はご自身のお休みの曜日で読み替えて進めてみてください。

もちろん紙の帳簿に書き込む方が良いという方はこれに準じた内容のものを手帳やノートに作成していただき、どこかのタイミングで合計点を計算して楽しんでみるのも良いかと思います。
ただ、紙の場合は自動計算で合計点が即座に見えないので、フィードバックの即時性は得られないかもしれません。

僕は手帳で頑張ろうとして挫折した経験があります。

表計算ソフトで最初から作成するのが面倒な方は、本サイトから無料でダウンロードできるので、そちらを参考に作り替えて、あなただけのルーティーン帳簿を作成してみてください。
始めることそのものに時間をかけてはいけません。

一週間の実践を点数化できたら、翌週以降はそれらを上書きでなくコピーして、別に更新していくようにしてください。

これで過去の行動が記録される帳簿が継続していきます。

人は目的や目標が明確であり、それが具体的であればあるほど行動が積極的になるのは言うまでもありません。

その具体的な戦術の部分がいつでも目に見える形で存在し、あなたの実践がすぐさま点数としてフィードバックされるとしたらどうでしょうか。
そこにはゲームと同じ喜びが生まれます。

ゲームのキャラクターを反復練習の末に自在に操り、敵キャラクターを倒す、あるいは困難な場面をクリアすると、物語が着実に進行する、得点をすぐさま得られる・・・。そこには喜びがありますよね。
子供のころ、僕たちが親や教師に褒めてもらったとき、素直に喜んだのではないでしょうか。

喜びは創造性につながります。

次はもっと頑張ろう、もっと工夫して良いものを創り上げようとして生まれる心のエネルギー、つまり日々の生活の“操縦桿”を自分の手にする感覚を“明らかに見る”ようにしてしまうのです。
“明らかに見える”ようにしたのなら、あなたが設定したこと以外のことを実践することは“諦め”て“手放す”ようにしてください。

まずは数週間、トライアンドエラーを繰り返しながら、やることとやらないことの枠組み作りを始めてみのはいかがでしょうか。

次回の記事では帳簿記入上の細かな留意点や具体的な事例を紹介して行きたいと思いますので、

よろしければそちらもご覧ください。

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